愛する夫のために

「まあ、あなたはこんなことが好きだったの?お母さん、ちっとも知らなかったわ。だったら、こんど、こういう本を買って来てあげましょうね」といった態度を母親が示すとしたら、おそらく、子供は子供なりによろこんで、その新しい好きなものに自分の興味をいっそう注ぐだろうと思うのです。問題は同じことです。愛児教育も亭主教育も変りはないのです。あなたはいままで一度でも、愛する夫のために、絵本を、おもちゃを、買って来たこと がおありですか。夫の趣味哨好をのばすために、書物や教材を夫に与えたことがありますか。たとえば、夫に草花の趣味をもたせたいとあなたが考えたとします。そこで朝顔の鉢植えを買ってきて、「まあ、何てキレイなんでしょう。ねえ、あなた」などと、いかにも草花の趣味をおもちになったらどう?といわんばかりにあなたはいいはしませんか。しかしこういうやり方ではダメなんです。夫は、しょせん、朝顔なんて平凡な花に好奇心を示さないでしょうから。そこで、そうしたぱあいには、ひとつ篭発して、高価な原色植物図鑑を買ってくるんです。夕飯がすんで、夫は新聞をよんでいる、あなたはその図鑑を引っぱりだしてきて、珍しい熱帯植物かなんかの写真を一生懸命に眺める、そして、「まあ、こんな花があるのよ、あなた熱帯植物のこと、ご存じ?」といったあんばいに話しかけてみるのです。いわば、それは魚に向ってツリ糸をたらしてみるようなものです。少しでも手ごたえがあったら、しめたものです。つまり夫の好奇心を引き出すように、あなた自身、まずいろいろ研究してみることが必要なのです。これを読んでいれば、出会った人はあなたから離れられないかもしれません。

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